「猫でも分かる音楽理論」シリーズ、今回は「メジャースケール」についてです。

CメジャースケールやGメジャースケールなど、名前だけはなんとなく聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際にその言葉の意味するところをちゃんと理解している人はそんなに多くはありません。
メジャースケールが何なのかを理解しておくと、作曲をする際や演奏をする際にも非常に役に立ちます。
今回は音楽初心者の方向けに、できる限りわかりやすく解説していきます!

「メジャースケール」の「スケール」って何?

まずメジャースケールの説明をする前に、「スケール」というものが何なのかを説明していきます。
スケールというのは7つの音の集まりです。

と言ってもなんのことやら分からないですよね。
まず、音には12個の音があるのを頭に入れておいてください。
ドレミファソラシ、、、の7つじゃないの?と思ったかもしれませんが、ピアノを思い浮かべたら12個あるのが理解できると思います。
ドレミファソラシの7つの音に加えて、ドのシャープ(#)、レ#、ファ#、ソ#、ラ#という5つの音があるので、合計12音です。
(ちなみにピアノだとこれらの5つが黒鍵です)

これらの12個の音のなかから、とある規則に基づいて7個の音を選ぶと、それがスケールになります。
そして、そのスケールの7つの音だけを使って曲を作ってみると、不思議なことに音楽になります。
ちゃんとそれっぽく聞こえてくるのです。

逆にその7つの音を使うスケールの曲で、急にそれ以外の音をいれると、すごく気持ち悪く感じます。
基本的には曲にはスケールが決まっていて、そのスケール内の7つの音で演奏する必要があります。
というより、そうすることによってその曲がちゃんと"曲"として成り立ちます。

メジャースケールの説明に入る前にここまでを軽くまとめておきます。
・音には12個の音がある
・その12個のうち、とある規則に則って7個の音を選ぶと、それがスケールになる
・曲にはスケールが決まっていて、そのスケール内の7つの音だけを使うと曲っぽくなる

この二番目の「とある規則」というのが何なのかですが、これがメジャースケールと関わってくる部分になります。

メジャースケールとは何か

さきほど、とある規則に則って12個の音から7個の音を選ぶとスケールを作ることができると説明しました。
実はこの"とある規則"にはいくつか種類があり、そのうちの1つがメジャースケールの規則です。
(ちなみにマイナースケールもこの規則のうちの1つです。マイナースケールについては別記事で説明します。)

メジャースケールの規則・法則はどのようなものかですが、「全全半全全全半」という規則になります。
これだけだと意味不明だと思うので、わかりやすく具体例をあげながら説明していきます。

先ほどの「全全半全全全半」のうち、全は全音を、半は半音を意味しています。
半音というのは、12個の音(ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、ラ#、シ)のうち隣り合う音への移動を意味します。

ド→ド#、ド#→レ、レ→レ#、レ#→ミ、ミ→ファ、、、、などが「半」の意味するところです。

一方全音というのは、12個の音(ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、ラ#、シ)のうち、1個飛ばしでの音の移動を意味します。

ド→レ、ド#→レ#、レ→ミ、レ#→ファ、ミ→ファ#、、、などが「全」の意味するところです。

もうすこし簡単にいうと、ピアノの鍵盤を想像して、黒鍵も含めてとにかく1つ右に移動するのが「半」、一個飛ばしで右に移動するのが「全」です。

「半」と「全」がわかったところで、もう一度メジャースケールの規則を見てみましょう。
「全全半全全全半」がメジャースケールの規則です。
Cのメジャースケールと言われたらCの音、すなわちドの音をスタート地点にして「全全半全全全半」移動していくと、それらが全てCメジャースケールの音になります。
(ちなみにCはド、Dはレ、Eはミ、Fはファ、Gはソ、Aはラ、Bはシを意味します)

実際に12個の音(ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、ラ#、シ)、もしくはピアノの鍵盤をイメージしてください。

最初は「全」なのでド→レとなります。
続いて「全」なのでレ→ミとなります。
続いて「半」なのでミ→ファとなります。
続いて「全」なのでファ→ソとなります。
続いて「全」なのでソ→ラとなります。
続いて「全」なのでラ→シとなります。
続いて「半」なのでシ→ドとなります。(最初の音に戻る)

ここででてきた7つの音、すなわちドレミファソラシがCメジャースケールを構成する音になります。
Cメジャースケールの曲を作るときには、この7つの音を使って演奏すると自然な曲になりますし、逆にこの7つ以外の音を弾くとそこだけ不自然な感じになります。

また、Cメジャースケールに含まれるコードが伴奏になっている際に、Cメジャースケールの7つの音を適当に鳴らしてみると、それだけでなんとアドリブの演奏をすることができてしまいます!

これは今まで「スケール」に関する知識がなかった人にとっては驚きの事実だと思います。
伴奏に合わせてアドリブでギターやピアノを弾いているのをみたことある人はいるかと思いますが、実際にはとんでもなく凄いことをしているわけではなくて、基本的にはそのスケールの中の7つの音を鳴らしてただけなのです。

先ほどはCメジャースケールを例にとってみましたが、実際には音の数だけ、すなわち12個のメジャースケールがあります。

復習も兼ねてGメジャースケールをみていきましょう。
Gの音、すなわちソの音がスタート地点となり、そこから「全全半全全全半」の音だけを選んでいきます。

最初は「全」なのでソ→ラとなります。
続いて「全」なのでラ→シとなります。
続いて「半」なのでソ→ドとなります。
続いて「全」なのでド→レとなります。
続いて「全」なのでレ→ミとなります。
続いて「全」なのでミ→ファ#となります。
続いて「半」なのでファ#→ソとなります。(最初の音に戻る)

ここででてきた7つの音、ソ, ラ, シ, ド, レ, ミ, ファ# がGメジャースケールを構成する音になります。

Cメジャースケールにはシャープのつく音はありませんでしたが、Gメジャースケールには「ファ#」が入ってきましたね。
たった一音違うだけですが、Gメジャースケールを弾いている最中に急に「ファ#」ではなく「ファ」が鳴るとすごく不自然です。

こんな感じで、合計12種類のメジャースケールが存在するので、ぜひ復習も兼ねて自分で特定してみてください!

最後に、今回の話の大事なところを箇条書きでまとめていきます。
・音には12個の音がある
・その12個のうち、とある規則に則って7個の音を選ぶと、それがスケールになる
・右隣の音に移動することを半音あがると表現する
・一個飛ばしで右に移動することを全音あがると表現する
・メジャースケールとは、「全全半全全全半」の規則で選ばれた7つの音の集まり
・同じスケール内の音だけを使って演奏すると、そのスケールの曲になる。さらにそのスケールの音であればアドリブ演奏も様になる
・Cメジャースケール、C#メジャースケール、Dメジャースケール....Bメジャースケールの合計12個のメジャースケールが存在する

以上、猫でも分かる音楽理論シリーズの第一弾「メジャースケールとは何か」という話でした!