好評の「猫でも分かる音楽理論」シリーズ、今回は「マイナースケール」についてです。
マイナースケールという単語は聞いたことがあっても、実際にそれが何であるのかをちゃんと説明できる人はそんなに多くありません。

前回「メジャースケール」について説明しましたが、そのメジャースケールの記事を既に読んだというのを前提に説明していきます。
(一応この記事でも軽く復習はしていきます)
もしまだそちらを読んでいなければまずそちらを読んでください!

では早速ここから猫にも分かるぐらい分かりやすく説明をしていきます。

「スケール」とは何かについての復習

まず「メジャースケール」の記事でも説明しましたが、まず軽くスケールとは何かについて説明していきます。

音には12個の音が存在します。
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの7音に、ド#、レ#、ファ#、ソ#、ラ#の5音(これらはピアノだと黒鍵)を加えると12音です。

この12音から「ある規則」に則って7つの音を選ぶと、その7音のかたまりがスケールになります。

スケール内の音だけを使って曲を作ると、不自然な感じはなく"曲"っぽくなります。
そして、12音から7音を選ぶ際の「規則」が、そのスケールが「メジャースケール」なのか「マイナースケール」かを決定づけます。

「全全半全全全半」の間隔で音を7つ選んでいくとメジャースケールになると前回の記事で説明しました。

ちなみに「半」というのは半音の意味で、12個の音の隣り合う音への移動を意味します。(例えばド→ド#)
「全」というのは全音の意味で、12個の音を一個飛ばしで移動することを意味します。(例えばド→レ)

ここまでが前回の「メジャースケール」の記事の復習です!

ではここから「マイナースケール」の話をしていきます。

マイナースケールとは何か

メジャースケールが「全全半全全全半」という規則であれば、マイナースケールはどんな規則なんだ、、と思うかもしれませんが、その前にまず知っておいてほしいことがあります。
メジャースケールは一種類でしたが、実はマイナースケールにはいくつも種類があるのです。

代表的なものだと3つのマイナースケールが有名です。

・ナチュラルマイナースケール
・ハーモニックマイナースケール
・メロディックマイナースケール

この3つが代表的なマイナースケールです!
この中でもナチュラルマイナースケールが、マイナースケールの中では一番使われるスケールになります。

まずそのナチュラルマイナースケールの法則ですが、「全半全全半全全」になります。
ドの音で始まるCのナチュラルマイナースケールをみてみると、「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭」になります。


続いてハーモニックマイナースケールの法則ですが、「全半全全"増2度"半」となります。
ここまでは「全」と「半」だけでしたが、ここで急に「増2度」というのがでてきました。

「半」が隣の音への移動で、全が1個飛ばしでした。
なんとなく予想できるかもしれませんが、「増2度」というのは2個飛ばしでの移動になります。(ド→レ#など)

ドの音で始まるCのハーモニックマイナースケールをみてみると、「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ」になります。

先ほどのナチュラルマイナースケールとハーモニックマイナースケールの7つの構成音を比べてみると、違いは1つだけです。
ナチュラルマイナースケールの「シ♭」が、ハーモニックスケールでは「シ」になっているだけで、他は全部同じです!

どちらも"マイナースケール"なので、多少の違いはあれど結構似ているのです。


では続いてメロディックマイナースケールをみていきましょう。
メロディックマイナースケールの法則は「全半全全全全半」となります。
ドの音で始まるCのメロディックマイナースケールをみてみると、「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ、シ」になります。

先ほどのハーモニックマイナースケールと比べると、これまた違いは1つだけです。
ハーモニックマイナースケールの「ラ♭」が、メロディックマイナースケールでは「ラ」になっただけで、他の構成音は全て同じです。

以上が3つのマイナースケールの説明です!
最後にマイナースケールについて箇条書きでまとめておきます。

・一口にマイナースケールと言ってもいろいろな種類があり、代表的なもので3つある
・ナチュラルマイナースケールは「全半全全半全全」
・ハーモニックマイナースケールは「全半全全"増2度"半」
・メロディックマイナースケールは「全半全全全全半」
・細かい違いはあれど、マイナースケールはそれぞれ似通っている

以上です!